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第50回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会

会長挨拶

この度、栄えある第50回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会を、土佐の高知で開催させて頂きます。折しも、令和元年11月の第49回学術大会から戸倉 新樹先生の後任として本会理事長を拝命いたしました。大変光栄であるとともに身の引き締まる思いです。我々は2016年、本学会に統合される寸前の第36回脈管膠原病研究会を担当致しましたので、4年ぶりということになりました。ご存じのように、殆どの皮膚疾患は炎症や免疫が関与していると言っても過言ではありません。そのため、これらを統合した領域をカバーする本学術大会の内容は年々広く且つ、深くなっております。私自身、皮膚科を選択しましたのは免疫学を研究したかったという理由ですので、本会を主催出来ます事は幸甚至極です。

今年の学術大会のテーマは「FACE THE SELFISH SKIN; 利己的な皮膚に対峙するサイエンス」と致しました。ポスターには亡父のダーマトロジー油絵のひとつ、裸婦背部に生じている膨疹の絵を採用しました。そこには男の顔が表出していますように、蕁麻疹をはじめアレルギー・膠原病が皮膚に描く図は、とても利己的で主(あるじ)を困らせます。もちろんドーキンスの「利己的遺伝子」から拝借しましたが、この困った皮膚表現をサイエンスが対峙し、攻略するヒントを考えることが本テーマの本意です。

本年1月、本会の準備を進めている最中、中国武漢が発生源の新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、空前絶後の災禍となりました。誠に残念ながら、当初通常の現地開催を予定していた8月から4ヶ月延期し、暮れも押し迫る師走のハイブリッド開催やむなくに至りました。11月現在、本邦でPCR陽性者(感染者ではありません、念のため)の最高数を記録する状況ではありますが、8月に完成していたプログラムにほぼ忠実な内容をお届けすることができそうであります。これには多くの座長、演者の先生方による多大なるご理解、協力の賜物と、伏して御礼申し上げます。また、開催が平日であるため当日ご参加できない先生方には後日オンデマンド配信の予定をしております。詳細はホームページにアップいたしますので、ごゆっくりお楽しみ下さい。現地開催において可及的に感染リスクを減らす工夫をいたしますが、通常の学会とは異なる制限も多々ございますので、どうぞご理解の程、宜しくお願いいたします。

以下、本学術大会における通常開催時からの変更点であります。

  1. 事前登録、カード決済の推奨…現地では接触を避ける為、可能な限り現金の授受を回避
  2. 参加費の減額…15,000円を10,000円に、コメディカルの方は無料
  3. 各会場の収容人数制限
  4. ポスター展示の中止
  5. ZOOMを用いた講演
  6. 海外講演者の現地入りキャンセルおよびWEB講演
  7. 後日オンデマンド配信
  8. 懇親会の中止
  9. 入場者の体温測定(各日実施)、マスク装着、健康状態申告書提出義務
  10. 会場の換気徹底、消毒剤の配置と定期的な消毒

プログラムにつきまして、一般演題は150演題以上の応募を頂き、ほぼ例年どおりの規模となりました。更にシンポジウムは13に及び、例年以上に充実しております。また急遽、「新型コロナの発疹、治療・予防の最前線」と題した特別緊急シンポジウムを開催致します。京都大学の大塚篤司先生には皮膚症状のレビュー、アクテムラによる治験を開始された大阪はびきの医療センター副院長の田中敏郎先生、ワクチンの治験研究に携わっておられる大阪大学遺伝子治療学の森下竜一先生にご講演を頂き、エキサイティングなシンポジウムとなりそうです。海外からは米国のKevin Cooper先生、スイスからMichel Gilliet先生にWEBにてご講演を頂きます。

その他、専門部会報告、共同研究発表など例年のプログラムに加え、シンポジウムには皮膚科学以外の臨床免疫分野、基礎研究分野の幅広い領域の先生方にも講演をお願いしておりますので、お楽しみ下さい。また、脈管膠原病研究会をオリジナルフォーマットで再現すべく「令和の脈管膠原病研究会」という半ば独立した長いセッションも行います。

世界中が苦境に立たされているコロナ禍において、敢えて現地・WEB配信併用のハイブリッド開催に踏み切りますが、リスクを最小化して参加される先生方には安心していただけますよう、努力して参る所存です。なお、事前登録手続き、オンデマンド配信など最新の情報は逐次ホームページにアップいたします。

教室員一同、より多くの皆様が第50回日本皮膚免疫アレルギー学会学術大会を楽しんで頂くよう願ってやみません。皆様の御参加をお待ちしております。

第50回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会
会長 佐野 栄紀

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